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動悸、息切れ、恋の病。(完)※

 

一話目から読む 

※性描写がありますので、閲覧にはご注意下さい。


 
俺は壁に背を預けて、できる限り三崎廉司と距離を取ってみた。 ……取ってみてハッとした。
身支度を整えた涼しい顔の三崎廉司は、甘ったるい雰囲気を消してしまえば、昨夜の名残なんてミジンコほども感じられない。
一方俺の方は、布団の下に隠れてるものの全裸のままだし、ちょっと視界に入った範囲だけでもキスマークらしき痕が散らばっちゃってるし、明らかに全身から夕べの余韻が漂いまくっちゃってるし、死にたくなるほど居た堪れない有り様だ。
見た感じで、もう完敗な気がしちゃった。だってコレは、昨夜の俺が望んだ結果の姿だったから。


「……だけど、俺のことはもっと好きなんだろ?」


ベッドの淵に腰を掛け、長い足を組んだ三崎廉司が、鋭く俺を射抜いたまま問い掛けてくる。絶対を確信した口調で。
呼吸が止まる。三崎廉司と繋がった場所が、キュウと切なく蠢き始め、甘い疼きを訴えてくる。


――そんなの……っ。


唇を噛み締め、黙るしかない俺の表情の変化を読み取ったんだろう。三崎廉司は組んでいた足を解いて片足をベッドの上に乗りあげると、さっき俺が弾いた手を伸ばしてきて、俺の頬に優しく触れてきた。
ビクと小さく跳ね上がってしまう、俺の心と体。ちょっとばかり症状が落ち着いたからって、俺は病から解放されたワケじゃないことを再確認してしまう。


「逃げたいなら逃げればいい。
 だけど俺は逃がすつもりはないし、逃げれば逃げるほど、凜太朗は俺から逃れられないことを、まあ、思い知るだけだろうけどな」
「やっ、やめ、ろって……、んっ」


頬、首、肩、背骨のラインを撫でながら下り、充血した窪みに指の感触が触れて来る。絶妙な加減のタッチで撫でて来て、俺のカラダに微弱な電流を走らせてく。
つい甘い声が漏れ出てしまう。キュンキュンと腰骨の奥の方が疼き出してしまう。
ダメだって。…そう思ってるのに、覚えたての新しい快感に抗いきれなくて、もっとと思ってしまう自分を止められない。


――ダメ、なのにっ。


余韻を引きずりまくりのソコは、特にあっけなかった。
いとも簡単に陥落されちゃって、ほんの少し力を込めただけで、旨そうに三崎廉司の指を呑み込んでしまう。
昨日の夜を迎えるまでは、排せつ物を出す役割だけを果たしてたはずの俺の尻穴。たった一夜にして、男の味を知っただけじゃなく、こんなにも淫乱な変貌を遂げてくれちゃって……。
目頭が熱くなり、視界が滲む。
自分が歓んでるのか、悲しんでるのか、自分のコトなのに、俺はよく分からなかった。


「昨日も言ったが、俺は気が長い方じゃない。まだるっこしいのも面倒で嫌いだ。
 だから凜太朗が逃げるなら、身体に教え込むだけだ。
 どれほど俺がお前に惚れ込んでて、お前も俺に惚れてるのかをな」
「…あっ…んっ」


悔しいほど自信に満ち溢れた声で、俺にとっては呪詛でしかない宣言を堂々と言い渡されて、俺のカラダが刻んだのは戦慄の震えだった。
三崎廉司の本気を突き付けられて、俺は直ぐにでも逃げ出したい恐怖に駆られる一方で、こんなにも執着され、想われる幸福に歓喜して、胸を打ち震わせてもしまう。


「……今朝はどんな風に凜太朗を泣かせてやろうか?
 凜太朗はどんな風に泣かされたい?」


知ったばかりのイイポイントを突かれ、耳元にキスされながら囁かれて、たちまち恋の病は悪化し、激しい喉の渇きに似た禁断症状に呑まれてしまう。俺の理性をあっけなく飛ばしてしまう。
夕べに続き、三崎廉司にベッドの上に押し倒されて、俺は思い知った。受け入れる以外の選択ができない自分を。
俺は仕方がないって諦めるの同時に、流されるしかない情けない自分を受け入れ、両腕を三崎廉司の首に絡めて引き寄せる。

だって、好きになっちゃったんだ。
好きな相手に本気で迫られちゃったら、そりゃ、やっぱり拒めるハズがないし、何よりどうしたって嬉しくなっちゃうんだからどうしようもない。



その日、目が腫れ上がるまで泣かされに泣かされまくった俺は、ただ喘ぐだけで水みたいな精液を垂れ流す生き物と成り果て、肉体的にも精神的にも、三崎廉司が居なければ生きていけない呪いに再度掛けられてちゃったワケなんだけど――。

長くなっちゃうので、結論から言おう。
どうも俺は、俺本人が思っていた以上にずっと、往生際が悪い男だったみたいだ。

だってさ、三崎廉司から物理的に離れると、男としての矜持が思い出したように存在を主張し始め、俺を急き立てて来ちゃうんだから、行動するしかないっていうか……うん。
その度に俺は、無駄な抵抗だってことを自覚しながら、恋の病の呪縛から逃れようとして、バカな画策を…っていうか、悪足掻きをついしちゃうという流れになるんだけど……。
まあ、その度に三崎廉司に捕らわれて、死ぬほど泣かされるコトになっちゃうワケなんだけどさ。三崎廉司の宣言通りに。

そんな三崎廉司と俺との、逃げては落とされるという恋の攻防は、俺が三崎廉司に完全な形で落とされるまで繰り返されるのだった。




……end.




※これで完結となります!最後までお読みいただきありがとうございました!
 また機会があれば、三崎廉司視点をいつか上げたいと思っておりますので、見つけた時は読んでやって下さい。
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